2013年7月19日金曜日

尾崎 剛さん


私の弟が生まれた時に二風谷にきた尾崎剛さんは、あれから、43年。母が言うには、まだ本当に若いお兄ちゃん…だったらしい。父はうちにお弟子さんとしてたくさんの人を連れてきた。尾崎さんの事を私は剛兄ちゃんと呼んでいる。まず、二風谷にきて、はじめに彫刻をしたのは鮭レリーフ。鮭のウロコを綺麗に揃えながら、丸ノミで彫刻していく。平たい鮭の出来上がった作品を鮭の色に塗装し、四角い額縁の中に収めて完成。二風谷では、この鮭のレリーフは飛ぶように売れた。その後、剛兄ちゃんはメノコ(女)レリーフを彫るようになり、後に、オアシス民芸として独立する。私の見たところ、剛兄ちゃんの彫刻するレリーフは奥さんの顔に似ていた。みんなメノコレリーフを彫刻する人は、奥さんに顔が似てくるのではないか。と、みんなの作品をみていた。ここ、近年はチセ作りの第一人者で二風谷の復元されたチセはだいたい剛兄ちゃんが指揮をとって、若い人達の指導にあたり、作った。また、最近の作品はこのエトゥヌ(プ)小さいプです。なんかは、大胆な中に繊細な文様が組み込まれた作品。父に連れられてきた剛兄ちゃんは母の日には毎年、母の好きな鉢植えを持ってきて、たいした言葉もなく、母に手渡していくのです。母は剛も息子だから。と、私達に話す…そんな剛にいちゃんは59歳。

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